時代の嵐

 

                                作品139

                             1980年2月2日作

 

    時代の嵐


ある日遠くを見た時 俺の目にはたしかに

雪をいだいた昔と同じ 山々がうつった

けれどその前には 幼い時の記憶と違って

緑のまったくない 家並みがあった

   今日も時代の嵐が吹き抜ける 明日はどんな景色が

   俺をむかえてくれるのだろう

ある日街で見かけた 男は俺の知ってる

そうだおそらく昔からずっと 知っているやつ

けれど俺には思い出せない そしてあいつも

また覚えていないだろう きっとみんな忘れてる

   今日も時代の嵐が吹き抜ける 明日はどんな人たちが

   俺をむかえてくれるのだろう

   俺の知らないところでいつしか 俺の知らないうちに

   時代は移りかわってゆく