夢の中で

 

                                作品135

                             1977年3月20日作

 

    夢の中で


真っ青な空は どこまでも澄んで ほゝをなでる風が 心地いい

そんな季節の中 さわやかに君は お花畑の中 かけまわる

君の遊び相手 きれいなお花 飛び回る小鳥 この季節

君はいやがる 僕の手を引いて 僕まで仲間に してしまう

   けれど春のお日様は眠りを誘い 僕はいつの間にか寝むってしまう

   夢の中のいつかの君は スズランの似合う幼い娘(こ)

      小鳥のさえずりのように 君の声が聞こえてくる

      ふと目が覚めた時 そこには大人の君がいた

こんな出来事 もう少し早く 君と僕とに やってきたなら

いつまでも君は 僕の胸の中で 幼い少女で いたかもしれない

   いろんな瞑想が駆けめぐっても もう遅い君は僕から離れてゆく

   夢の中で手をふりながら 坂道かけてゆく人

      小鳥のさえずりのように 君の声が聞こえてくる

      ふと目が覚めた時 そこには大人の君がいた