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    2004年8月25日  塩竈市浦戸諸島へ

    私たちの住む塩竈市には浦戸諸島があります。その浦戸諸島へ一日ハイキング
    に行ってきました。目的は、
      1.私たちとして、塩竈を再認識する。
      2.松島・塩竈へ来られる方へ、塩竈市浦戸諸島を紹介する。
      
3.直接回って感じたことを、塩竈市へ伝えたい。
          
※したがって、3の内容については、文中文字を赤色とします。
 
   の3つです。

 左図をご覧下さい。これは
 松島湾遊覧船の案内です。
 左下の塩竈から中央やゝ左
 の松島までの遊覧コースで
 すが、皆さん、茶色の島々を
 ご存じでしょうか。これは人が
 住んでいる島であり、塩竈市
 なのです。全国的には、松島
 松島と言いますが、この海一
 帯は塩竈市なのです。松島湾
 なんてほんのちょっとで、ここ
 は塩釜湾です。
  「松島や あゝ松島や 
            松島や」
 芭蕉が読んだわけでもないこ
 の句が松島をあまりにも有名
 にしてしまいましたが、塩竈市
 はその松島を一部としたこの
 海一帯を財産として持つ、す
 ばらしいところなのです。
 
塩竈市にはぜひこのすばらし
 い宝物を日本全国、世界に発信
 してほしいものです。

 ちなみに、「塩竈市」は市役所で使う正式な町の名前ですが、普通には「塩釜市」を使って
 います。

  
本塩釜駅から塩釜神社・遊覧船乗り場を中心とした観光マップ (※図をクリックすると拡大図が見れます。)
     

  私たちは、上記モデルコースの「浦戸諸島の自然と歴史を訪ねるコース」を回ることとし、まず前日に下調べ
  のため遊覧船乗り場であるマリンゲートに行ってみました。
  いろいろパンフレットはあるのですが、やはり細かいことは分かりません。そこで、
市営汽船の窓口に行った
  のですが、誰もいません。案内もありません。
隣の観光汽船の案内に聞くと、「乗船券自動販売機の呼び出
  しボタンを押すと人が来ます。」と教えてくれました。
  帰りに本塩釜駅にも寄ってみました。観光客の立場でいろいろ回ってみると、下図のような裏紙にコピーした
  ものが駅に置いてありました。

  

  左は塩釜神社への道順の案内、右がマリンゲートへの道順の案内です。
一見親切なように見えますが、要
  するにこういうものがないと、この2ヶ所には行けない。駅と観光地が有機的につながっていないのです。
  駅から神社まで門前町なのにそういう町並みがない。港と魚の町なのに駅から遊覧船乗り場までそういう
  賑わいがないのです。
さみしいものです。
  マリンゲートと本塩釜駅を回っての収穫がありました。塩釜市もやることはやってます。
        
『歴史と浪漫感じる、宮城県塩竈の宝島 浦戸諸島』
  というパンフレットがあったのです。下図がそのパンフレットにあったモデルコースなのですが、私たちはその
  通りに回ってみようということにしました。但し、何があるか分からないので、モデル時間通りの塩釜発9:30
  ではなく、ひとつ早い7:15に乗船することとしました。
           
            
パンフレットのコース案内 (※図をクリックすると拡大図が見れます。)
       


  2004年8月25日、自宅を6時30分に出発です。
  
本塩釜からマリンゲート(遊覧船乗り場)への間の歩道にはカレイかヒラメの絵のはいった歩道があります。
  これはいいですよね。但し、なんとなく配置をするのではなく、駅からその魚の向きの通りに歩いていけ
  ば桟橋だとか、マグロの向き通りに歩いていけば魚市場だとか、御神輿船の向き通りに歩いていけ
  ば神社に行くとかの工夫が欲しいものです。

  
マリンゲートに行くと、なんと正面の入口が閉まっているのです。朝早いせいだとは思いますが、船に乗ろう
  としてきた人はどうすればいいのでしょう。私たちはコンクリートの低い壁を越えて、直接桟橋に行きました。
  すると、桟橋から乗船待合室に入ることができました。
正面がお店になっているため、お店が開店しないと
  正面扉は開かないようです。構造設計がおかしいですよ

  
       本塩釜駅からマリンゲートへの歩道                 こんな船も                      マリンゲート
       

                                   市営汽船「みしお」77d
            

  市営汽船「みしお」が桟橋を出ました。
  皆さん、ご存じでしょうか。塩釜は第2管区海上保安本部のある港です。港には巡視船も停泊しています。

                   遊覧船桟橋                                 第2管区海上保安本部の巡視船
     

  湾岸には大型造船所の巨大なクレーンがそびえています。今ここでどれぐらいの船が造られているのでしょ
  うか。
景気に左右されない塩釜の造船産業の新しいあり方は見えているのでしょうか。
  魚市場も見えます。そう言えば、マグロの不正入札がありましたね。全国の皆様申し訳ありません。そんなこ
  ともあり、また大きく儲けようとマグロだけを狙ったこともあって、塩釜魚市場は衰退の一途を辿っているよう
  に感じられてしかたありません。今はサンマの水揚げの季節なのに、ニュースでは気仙沼しかでてきません。
  
塩釜市として、魚市場の再起の一手が必要と思わざるをえません。
 
              景気はどうか! 大型造船所                               衰退の一途の魚市場
     

  塩釜湾をしばらく行くと、塩釜の町並み・港がすばらしい景観として目に映ってきました。遠くから見ると
  いい町だよなぁ。船で行くこの先には塩竈市が宝島と称する浦戸諸島があるのです。まさに自然に恵ま
  れた宝の港町ではないでしょうか。後は、活用の仕方だけで、ダイヤモンドにもなり、炭・・・。炭は考える
  必要はないでしょう。

 
                             塩釜湾の市営汽船からの我が町「塩竈市」
            

 
                 ノリ・牡蛎の養殖場                            湾内に似合わない仙台火力発電所の煙突3本
     

  さらに船が進むと、ノリや牡蛎の養殖場です。
  また、まわりの景色には似合わない仙台火力発電所も大きく見えてきます。そこは七ヶ浜町なんです。
  塩釜の景色を汚していますが、税金は七ヶ浜にほとんどおりるのでしょう。

  さぁ、桂島桟橋が目前となってきました。今日一日浦戸諸島ハイキングが楽しめそうです。しかし、いっしょ
  に乗船している人の内訳は5割が島に出勤する塩釜関係の職員、4割が釣り人、1割が私たちと同じ観光
  という印象でした。

                   
※以下からの写真説明文の数字はパンフレットの名所の番号

              桂島桟橋                      1.松崎神社                      2.白崎山展望台
       

  出だしは良かったです。
「ハイキングコース」という赤い看板が矢印付で設置されていました。これが気付い
  た時にはなくなり、藪こぎをしないといけないようなことにもなったのです。

  最初の展望台である白崎山展望台らしきところに着きました。しかし、
ここが本当にその展望台なのか看板
  もありません。ふと見ると草むらに看板が落ちていたので柵の上に置いて写真を撮ってきました。以降の展
  望台には表示のないところが多く感じられました。

  また、
白崎山展望台と二度森展望台は展望台だというのに、目の前に松が生い茂っていて海の眺望は良い
  とは言えませんでした。

  また、
「宝くじ松」のラベルのついた樹木台が何ヶ所かありましたが、どういうわけでしょうか、枯れてしまった
  のか松はありませんでした。もし枯れてしまったのであれば、管理の問題でもったいないことです。

  西の山展望台はせっかく眺めはいいのに、
ど〜んと火力発電所の煙突3本が目に迫っており、こちらこそ松
  で隠してほしい気がしました。
しかし、ここから桂島海水浴場まで行くまでの波音は良かったですよ。道は松
  で覆われていて景色は見えないのですが、その松の中に風が届けてくれる波の音は例えようもない天国の
  調べでした。

           3.二度森展望台                    4.西の山展望台                  5.観月崎展望台の看板
       

  桂島海水浴場、小さい頃ここだけは毎夏来てましたが、この日は海水浴シーズンも終了し、ひっそりとして
  いました。しかし、何故か海の家だけは開店中でした。昔はここで当たり前にサザエの壺焼きを食べてまし
  たが、今は高級食材になってしまってなかなか食べられませんね。
  さて次に行こうとすると、
感で進むことはできますが、このそこそこ広い砂浜から出るための標識がないの
  です。寒風沢海水浴場からもそうでしたが、こういう所にきちっとした表示がなくいったんコースからズレる
  と大変です。こういう広いところから次への標識こそ、しっかり立ててほしいものだと願います。

  
7.駒懸公園、8.鬼ヶ浜と思われる場所へと進みましたが、これらにも看板がなく、そうだったであろうとい
  うだけで、確信がありません。そして、鬼ヶ浜と思われる所からの脱出は今回最大の藪こぎでした。


 
         6.桂島海水浴場                  7.駒懸公園 と思われる場所             8.鬼ヶ浜 と思われる場所
       

  道路にでると下の写真の看板がありました。そうです、
ここは菜の花畑で有名な種の生産地なのです。
  このことはCOOP等を通じて全国の奥様方に宣伝したら、視察を兼ねて観光に来ていただくいい材料
  ではないでしょうか。おみやげに家庭菜園用の高級種を配る等の工夫も含めて、お客様に喜んでいた
  だける企画はいっぱいありそうです。


                                浦戸諸島の島の特徴を表す看板
           

  
雨降り石を見に行きましたが、標識と石の間に植物が茂っており、写真でも分かりにくいように石は陰に隠
  れていました。
白石廣造邸宅跡については跡というのは分かりましたが、せっかく来たのですから、
  勉強のために、ここが大広間跡とか、ここが井戸の跡とか、その家の様式や規模等が分かるような
  掲示物が欲しいと思わずにはいられませんでした。


        9.津森山展望台(雨降り石)                  石浜神社                     10.白石廣造邸宅跡
       

  桂島の名所を周り石浜に着きました。パンフレットによると電話をすると渡船が野々島から来てくれるという
  ことです。この渡船は市道扱いなので無料です。5分ほどで来てくれます。
          
石浜−野々島渡船の電話連絡先 … 022−369−2240
  私たちは携帯電話を持たないので、何処で電話をかけられるか前日市営汽船の事務所で聞いたところ、
  
石浜の郵便局前の公衆電話からかけて下さいとのことでした。郵便局はすぐ近くにあったのですが、
  テレフォンカードや小銭がない場合も考えて、ボタンを押せば渡船が来るとかにできないものでしょ
  うか。

  今回はたまたま3組が別々に電話をほゞ同時にかけるということになってしまいました。それで、下の写真
  の郵便配達の郵便屋さんと東北電力の電気使用量検針のおばさんとご一緒となりました。

             石浜桟橋                渡船でいっしょの郵便屋さんと電力検針の方            野々島桟橋
       

  野々島に着くと、目の前に下の写真の通りのりっぱな浦戸諸島開発総合センター(ブルーセンター)があり
  ました。
私たちは観光客のためのビジターセンター的なものがあるものと思っていきましたが、何もあ
  りません。ただの公民館的なものでした。ここでなくてもいいのですが、浦戸諸島という塩釜の宝島で
  すから、その良さを解説・アピールする展示場的なものがあってほしいものです。


       19.浦戸諸島開発総合センター                  熊野神社                       野々島海水浴場
       

  この島でも標識が足りなくて、若干道に迷ってしまいました。また、
浜の呼び方ですが、何か説明がないと
  分かりません。パンフレットでは野々島海水浴場とあるのに、現地標識では棚浜海水浴場です。これは、
  寒風沢海水浴場もいっしょで、現地標識では前浜海水浴場でした。


            夜泣き地蔵                       野々島の東側の桟橋                  寒風沢の渡船桟橋
       

  野々島から寒風沢への渡船は野々島側にいるので、お願いするとすぐに2分もかからず寒風沢に渡しても
  らえました。
寒風沢からは下の写真の旗を掲揚すると来てくれるそうです。渡船の人は対岸から常に注意
  して見ていないといけないのでしょうか。やはりボタンを押せば音がなるとかにしてあげたいものです。


            渡船を呼ぶ旗                      11.造艦の碑             12.日和山展望台(しばり地蔵・十二支方位石)
       

  寒風沢というのは歴史のある島です。まずは、造艦の碑です。伊達藩がここで開成丸を建造したとのことで
  す。日和山展望台では海の男のために遊女がいた。そして、風の時に男達を引き止めるための縛り地蔵
  等、興味深い歴史が看板に書いてありました。
  次に、
神明社と砲台跡の分かれ道にきましたが、標識はどちらへも0.2kmでした。そこで、まず神明社に
  行き、次に砲台跡に行ったのですが、砲台跡は行き止まりで、次に進むにはふたたび神明社を通るはめに
  なりました。こういうことは経路として標識に掲示してほしいものです。

  
寒風沢海水浴場入口で、寒風沢海水浴場か確認のため標識を探したところ、「元屋敷浜0.9km−神明社
  0.1km」なる標識がアシかヨシに埋もれて隠れていました。


            13.神明社                       砲台跡の看板                     寒風沢海水浴場
       

  寒風沢海水浴場で昼食をとり、一休み。
  
次に進もうとすると、さぁ大変。広い浜からどこへ行ったらいいのかさっぱり分かりません。パンフレットでは
  15.要の浜16.荒崎公園経由元屋敷浜となってるのに、一気に元屋敷浜への標識はあるものの、15・
  16への標識は影も形もない。行ったり来たりしましたが結局分からず、しょうがないので15・16を飛ばして
  元屋敷浜へ。

  この後の道は感動でした。用水路にはメダカのような魚がいっぱいです。そして自然の水の流れの中には
  ザリガニがいっぱい。苦労してザリガニを探せたことはありますが、何もしないでうようよいるザリガニを見
  たのは初めてでした。

             元屋敷浜                        17.六地蔵                     18.松林寺(化粧地蔵)
       

  さぁまたまた大変。
17.六地蔵から次の松林寺への標識がまったくありません。今度は帰りの船までまだ
  まだ時間があるので徹底的に探しますが見つかりません。道で会った一人目のお爺さんに尋ねると、説明
  はしてくれるものの言葉が聞き取りにくく、やはり分かりません。二人目のお爺さんに尋ねて何となく分かり、
  やっと松林寺を発見することができました。途中でやはり、「松林寺の化粧地蔵を見たかったんだけど」と
  いう若い女性二人がいましたが、彼女らは見つからなかったようです。これでは駄目です。帰った彼女らが、
  「良かったよ。自然はいいし、良く整備されてるし。あなた方も行ってみなさい。」と言わせるようにしたいもの
  です。


                民宿伊豆屋のご主人と                                  寒風沢桟橋
     

  いろいろありましたが、歴史と自然を満喫して浦戸諸島ハイキングを終えて、寒風沢桟橋へ到着しました。
  本当に気持のいい一日でした。ここが塩釜とは思えません。本当にすばらしい宝島でした。
  船まで時間があったので、アイスクリームを買いにお店に行きました。
そこは民宿をやっている伊豆屋さん
  で、そこのご主人に寒風沢についていろいろ教えていただきました。本当にありがとうございました。市関係
  の仕事をしていた方のようで、こんなことを言っていたのが非常に寂しく感じられました。
     ・客は来ても日帰りで、民宿に泊まっていかない。
     ・若者は夜中ずっと騒いで、ごみを散らかして帰って行く。
     ・したがって開発は必要なく、島を本当に知っている人だけが来ればいい。

  理解できないわけではないですが、これではこの宝島は衰退してしまいます。
今の姿は、今日一日回って
  見たかぎりですが、昔からこの島に住んでいる人たちの福祉だけのために予算を使っているだけのように
  映りました。このままではいけません。この島々が潤うための新しい島作りが今すぐ必要と感じました。市の
  幹部の方々、この宝島を遊ばせていてはもったいないです。守りだけでは駄目です。全面的な開発は私も
  反対ですが、開発と自然保護の両輪の市の活動が大切なようです。規制緩和が叫ばれる時代ですが、この
  島々には自然保護のための思い切った規制も大いに必要です。そうした中から新しい島創りの方向が見え
  てくるように思えます。
  規制の一例ですが、ユリの盗掘に対しては条例にて桟橋での検査体制や罰則強化を図ってはどうでし
  ょうか。こうすることにより、「それだけすばらしいユリがたくさんある。」という宣伝にもなって、観賞の
  ためのお客が増えると考えます。

  開発の一例ですが、寒風沢と野々島の間の橋はすぐにでもしたいものです。遊んでいる壱番館の建設より
  もこっちの方を先にすべきだったと思わざるをえません。
  神奈川県横須賀市の猿島を想い浮かべました。あの島は確か人は住んでいませんが、観光地としては似
  ているところがあります。あそこは京急電鉄での宣伝もうまくいっていて、観光地として賑わっています。そこ
  から学ぶに、

  
浦戸諸島開発のキーワードは、
     ・ポイントの重点整備
     ・提携先との関係作り(JR仙石線・島関連の各種団体 等々)
     ・宣伝方法

  
ではないでしょうか。観光地としては松島よりずっとすばらしいこの浦戸諸島を塩竈市のダイヤモンド島にした
  いものです。
  
     まだ十分に磨かれていませんが、それでもすばらしいですよ。
     皆さん、ぜひ浦戸諸島へお越し下さい!!!


〈本文で書けなかったパンフレットの印象〉
     全体として、おそらくこの地域を良く知っている人が作ったのであろうと感じられます。後は、この地域を
     まったく知らない人が使ってみての検証がされていないように思えます。


《私たちのコース時間》
   塩釜桟橋−(船)−桂島桟橋−1松崎神社−2白崎山展望台−3二度森展望台−4西の山展望台−
     7:15         7:39      7:48       7:53         8:00         8:05
   5観月崎展望台−6桂島海水浴場−7駒懸公園−8鬼ヶ浜−9津森山展望台−10白石廣造邸宅跡−
       8:13         8:17         8:28    8:34       8:54          9:12
   石浜桟橋−(渡船)−野々島桟橋−19浦戸諸島開発総合センター−野々島海水浴場−夜泣き地蔵−
     9:30           9:33           9:37               9:59       10:07
   渡船桟橋−(渡船)−寒風沢桟橋−11造艦の碑−12日和山展望台−神明社=砲台跡=神明社−
     10:18          10:20       10:31       10:38      10:55   11:04   11:13
   14寒風沢海水浴場−元屋敷浜−17六地蔵−18松林寺−寒風沢桟橋−(船)−塩釜桟橋
      11:18(昼食)     12:15    12:36     13:12   13:20/14:08        14:53


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